今月の輝いている人

今月の輝いている人~井上立子さん

今輝いている女性、ビジネスウーマンをご紹介しています。

今月は
税理士事務所を経営、税理士として 活躍されております
井上立子さんです。

◆インタビュー◆

◆今日は、税理士として活躍されております
井上立子さんにインタビューさせていただきました。

井上さん 今日はよろしくお願いいたします。
最初に 自己紹介をお願いいたします。

税理士の井上立子と申します。

平成15年に税理士事務所を開業し、 現在は東京の池袋に拠点を置いています。

★HP: 井上立子税理士事務所

★著書(共著): 「身近な法律・税金知らずに損していませんか」          「相続税増税 あなたの家は大丈夫?」

◆ どのようなきっかけで 現在のお仕事を始められましたか?

大学時代に法律を学んでいましたが、就職⇒結婚⇒出産で専業主婦になり 子育てを楽しんでいました。
あるとき弁護士として開業していた夫から、「ぼく、貸借対照表とか見られないから、君が見てくれるとたすかるなあ。税理士をめざしてみたら?」と言われ、受験用の予備校の資料をドーンと渡されました。
そのころ上の子が3歳で下の子は0歳、学校に通って税理士の勉強なんてとても無理だと思ってしばらく放っておきました。
転居をきっかけに運良く保育園に子どもを預けることができ、母も応援してくれたので、勉強を始めました。それから8年後の平成10年に税理士試験に合格しました。
あの時の夫の一言がきっかけだったと思います。

◆ ご主人の勧めがあって、税理士のお仕事に就かれたのですね!
今の仕事で、どのような苦労したことや大変だったことがありましたか?

結婚して10年以上、家族のこと家庭のことを第一に考えて生活していたので、税理士になりたての頃は、仕事をしていても雨が降ってくると「布団を干してきちゃったんで、家に帰っていいですか?」と上司にきくような有様でした。仕事の厳しさを受け入れる覚悟ができていなかったんですね。
家庭も大事だけど、仕事も大事。そのバランスをとることがいちばん大変でした。

◆ この仕事のやりがいはどんなところでしょうか。

税理士事務所を開業して1週間で、夫に食道がんが見つかり、入院生活が始まりました。
開業したばかりなので、お客さまは全くいません。事務所をほったらかしにして毎日病院に通いました。
そしたら、夫が「開業したんだから、とにかく仕事をしなさい。まずは開業案内を出しなさい。このままでは1年後に廃業しなくちゃならなくなるよ。」と言うんです。それが夫の望みならと、看病しながらがむしゃらに仕事をしていくと、少しずつお客さまが増えていきました。
この頃は、まだ仕事を楽しいとは思えなかったけど、お客さまに対する使命感は強く、とてもやりがいがありました。
今では、こんな私に、会社の事情を全部話してくれて、通帳まで見せてくれて、信頼してくれる経営者がいらっしゃるのですから、本当に真剣にその会社に向き合っていかなくてはいけないと思っています。

 

◆ 井上さんは、この仕事を通して どのように変りましたか?

家族は、言わなくてもわかってくれます。
でもビジネスは自分から発信していかなければ、誰にもわかってもらえません
自分の考えや気持ちをきちんと伝えるように努力しています
それから、約束したことは必ず守るようになりました。以前は家族やお友達との約束なら、「ちょっとしんどいな」と思ったら「行けなくなっちゃったー」ですませていましたが、ビジネスではそれは信用問題です。

◆井上さんが、今いちばん集中して楽しんでいらっしゃることは何ですか。

学生生活です。税務の勉強をブラッシュアップしたいと思い、この4月から早稲田大学の大学院に通っています。
税理士向けに開設された講座で、先生はかなり厳しいです。しっかり予習したつもりでも、満足な答えを出せない時もあり、もっと勉強しなくちゃと思います。
今まであまり意識していなかったネゴシエイトについても勉強中。
「法律のことがよくわからないお客さまを守ってあげられなくて、なにが税理士ですか!」という先生の一言に、目が覚めました。
自分のロッカーがあって、学生証があって、中央図書館を自由に使えるこの1年間を、大切に過ごしたいと思います。

◆ 仕事のレベルアップのために常に勉強を怠らないのですね!
人生の中で何か後悔していることはありますか。

もうちょっと夫と一緒にいる時間が欲しかった。もっといろいろやってあげたかったと思います。
これは夫と同じ時期に入院していた母についても言えること。
夫や母にはもうなにもしてあげられませんが、その分、子どもや周りの人にお返ししていきたいです。

◆ とてもご心痛な時期を抱えられていたのですね。
人生の中で嬉しかったことはありますか。

夫と母の入院が重なって、仕事も立て込んでいたとき、母の方にはなかなか様子を見に行けないことがありました。
でも母の看護士さんから「お母さまは、『うちの子税理士なんです。私が孫の面倒を見たから受かったのよ』と嬉しそうに話していらっしゃいますよ」と言われて、母が私のことを応援してくれているし誇りに思ってくれていることが分かって、とても嬉しかったです。

 

◆お母様は、ご主人同様に、いつも井上さんのお仕事を応援してくれていたのですね!井上さんは、これからどのように生きていきたいですか。

夫や母を看取って、自分の命も有限だということを強く感じています。
だとしたら、自分の思いを仕事のスタッフや家族にきちんと伝えていきたい。
この思いを引き継いでくれる人がいたら、次の人につなぎながら、生きていきたいと思います。

◆ これから起業する人へアドバイスがありましたら、お願いいたします。

自分が若い時に興味を持ったことを捨てないでほしいと思います。
採用する側になってわかりましたが、今家庭にいる女性には、たくさんの能力が眠っています。もったいないです。
今は子どもが小さかったり、いろいろな事情があってできないことも、少し時間が経てばできるようになるかもしれません。
今がんばり過ぎて、ポシャってしまうより、その時まで夢を捨てないこと。
あきらめなければ、いつか必ず叶います。

 

◆お忙しい中 ありがとうございました。これからもますますのご活躍を期待しております!